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執筆者の写真林幸一郎

林中小企業診断士事務所は、開業10周年を迎えました

更新日:2023年4月21日

〜独立・開業を目指す方へ〜


2013年4月に開業して10年が経ちました。

仕事と成長の機会を与えてくれた方々に感謝申し上げます。

10年前は本当に自分に実力があるのか、十分な収入が得られるのか不安でした。

独立して1年やってみて見込みがなさそうなら一度あきらめて、就職活動をしてなんとか生きていこう、などと考えていました。


そんな経験はこれから独立開業を目指す人にとって参考になるかもしれないと思い、今までのこととをまとめてみたい思います。


10年間の数値化できる経験


思いつく数値化できる主な経験は以下のとおりです。


金融支援を伴う経営改善・事業再生 30件以上

創業融資を伴う創業支援 20件以上

事業承継計画書作成支援 10件以上

株式移転を伴うM&Aアドバイザー 2件

従業員承継支援 3件

補助金申請支援 (少額なものを含めると)100件以上

農商工連携認定支援 1件

クレド・経営理念の作成 10件以上

ストアコンセプト・ブランドコンセプトの作成 30件以上

事業継続力強化(BCP)計画作成支援 3件

経営者向けビジネスセミナー・社員研修 500回以上


わりとよく働いたのではないかと思います。特に最初の3年間くらいは週末もほとんど休みなく働いたような記憶があります。


繰り返しになりますが、チャンスを与えてくれた方々に感謝しています。

特に長年お付き合いいただいている顧問先の社長や、経験不足なことをわかった上で起用していただいた金融機関や中小企業支援機関の方々などの顔が浮かびます。


独立して良かったと思う4つの理由


タイトルの通り会社員から独立開業して良かったと思います。

そう思う理由はいろいろありますが4つに分けて書きます。


1.10年前の自分より今の自分が急速に成長していると思えるから

他人と比べて自分が優秀かはわかりませんが、10年前の自分に比べてビジネススキルが急速に成長したと思います。

私の場合はセミナー講師と実務の両輪を回すことが成長を加速させていると感じます。

ある程度実務経験を積んで、その分野のセミナー講師を依頼してもらい、テキストをつくることで知識と経験を整理し、人に説明して評価を受けることで磨かれ、テキストで作成した資料は実務にも活用し、実務の支援レベルが上がるという循環です。

例えば、現在経理が苦手な社長向けに、決算書分析活用セミナーのテキストを作成しています。時間のかかる大変な作業なのですが、これがいままでの知識と経験の総まとめになってとても勉強になります。テキスト中に入れた決算書分析ツールは早速顧問先の決算書分析に活用して社長に提出しました。社長から「我社の状況がよくわかった、ありがとう」と言って喜んでもらっています。また社長からいくつか質問があり私としても「ああ、そこが解りにくいのか、そういう情報が知りたいのか」という気づきがあり、その内容は早速ツールやテキストに反映させました。

またたくさんの経営者と真剣勝負をするなかで人間的にも成長できたと思います。

以前のブログ記事

でも書きましたが、他人より優れているかを考えるより、過去の自分より今の自分が優れているかを考えたほうが充実した時間を過ごせると思います。

ただし、他人と比べないというのは普段の生活の態度であって、企業戦略やキャリア戦略を考える際には自分や自社が競争上優位な点(いわゆる強み)が何かは考えます。当たり前ですけど。


2.仕事そのものが楽しいから

中小企業診断士・経営コンサルタントという仕事は貢献意欲と知的欲求を満足させられる素晴らしい仕事です。

貢献意欲については、業績が低迷している企業が再生するのをサポートしたり、実績のある会社が事業承継して永続するのを支援したり、意欲と野心にあふれる創業者の成功を一緒に喜んだりできるのはなかなか味わえない経験です。

知的好奇心については、日々勉強したことが実務に生かされ、実務がさらに知識を与えてくれる奥深い仕事です。


3.収入が上がったから

これも他人と比べると大したことは無いですが、独立して1年目から会社員時代の収入を超える事ができました。

ただし、これは人それぞれです。独立直後は会社員時代より収入が落ちる人のほうが多いかもしれません。私は人との出会いに恵まれました。


4.自分の価値観に従って生きることができるから

独立して一番良かった事かもしれませんが、自分の価値観に従って生きることができます。会社員時代には「この仕事って意味ある?」とか「この提案ってお客さんのためになる?」と思いながらする仕事が少なく有りませんでした。

現在では意味のない作業が全く無いとは言い切れませんが、ほとんど無いとは言えます。

仕事の内容も相手も自分で選ぶことが出来ます。

何かに支配されているのでなく、自分の舞台で自分の役を演じている感覚があります。



独立を迷っている方へのアドバイス


自分の経験から独立や創業を迷っている方へアドバイスできるとしたら以下のような内容です。


1.挑戦はそれ自体正しい やらなかった後悔より、やった後悔

100%成功する挑戦はありません。絶対失敗しないとわかっているならその時点で挑戦とは言えないでしょう。

独立や起業に反対する人の中にはあなたに成功してほしくない人もいたりします。強力に人を動かす感情である妬みです。「戦う君のことを戦わない奴らが笑うだろう」は中島みゆきの名曲「ファイト!」の歌詞です。

挑戦したときの失敗は改善点を教えてくれる貴重な経験です。取り返しがつかないような失敗を避けて、小さな失敗を繰り返すことが学びになります。

また、会社員を辞めて自分で起業する以外自己実現の方法がないかというと、そうとも言えません。大きな組織に属してないと使えない組織力・予算・信用力があります。そのような力を使わないと達成できない仕事もあります。大きな仕事を仲間とともにやり遂げるのは組織人の喜びでしょう。


2.収入は下がることを前提に 上がったら儲けもの

独立してすぐに収入が上る人もいれば、しばらく我慢してから上る人もいるし、ずっと低空飛行の人もいます。

独立したら収入はかなり下がるつもりで生活プランを立てておき、上がったら儲けものくらいのつもりでいるほうが安全です。


3.いままでの人脈を当てにしない

現在勤めている会社や顧客から受注してもよいが、その他からも受注する。特定の取引だけに依存しない。という姿勢が大切です。1社からの収入が全ての売上の半分以上になったら会社員でいるのと変わらないどころか、雇用契約や労働基準法に守られないもっと弱い立場になります。

古くからの付き合いを過信しないということも大切です。私も先日、独立前からの付き合いだからというだけで信用して仕事を受けてしまい、危うく著作物を盗まれるところでした。昔からの知り合いだというだけの情報は人を信用するに足りません。最近知り合って近況をよく知っている人のほうがよほど信用できるかもしれません。


独立とは、依存先を無くすことではなく、頼る相手を増やすこと

 

多くの中小企業が下請けから脱却出来ずに収益性が上がらない理由の一つが、取引先別売上の偏りにあると言われています。実際に多くの企業をみてそのとおりだと思います。

ある取引先からの受注がなくなったら資金が回らないという状態になれば、どんな価格でも取引条件でも断れないでしょう。最初は割と良い条件で取引が始まったとしても、無茶な要求を断れない関係になったらどんどん条件は悪くなり、交渉を口にすることすらできなくなります。

このような事態を回避するには多様な取引先・依存先を確保してどこかに頼りすぎない状態にしなければなりません。

これは仕事や生きがいや人間関係や趣味など生き方全般に言えることです。

同じように会社員は収入の依存先が1つの会社だけになりがちです。そこで会社への依存度を下げる=依存先を増やすことが自立した生き方への一歩になると思います。会社以外の収入がもてれば良いわけです。また、副業が出来ない場合は、その会社から来月追い出されても食べていける市場価値を自分がもっていれば良いわけです。根拠ある自信が持てたら会社員でも精神的に独立・自立できるはずです。


今後のこと

個別具体的には書けないこともあるのですが、大きく2つのことを考えています。

1.もっと個人としての能力を磨きたい

個人としての知識・能力・技術が足りていないと感じることがあります。また、自分にはまだ伸びしろがあると思っています。この仕事で知っておくべき領域は経営戦略、財務会計、組織、法律、IT、業界動向などとても広く、いくら勉強して実務を積んでもこれで満足ということがありません。


2.個人の能力を超えた仕事もしたい

いままでは、一人で仕事ができることに自由を感じていました。

なので一人でできる範囲を超える仕事は基本的にお断りしてきました。

しかし最近、一人でできる範囲を超えた仕事もやりたいなと感じるようになりました。

才能と意欲のある人達と一緒に仕事ができる機会を増やしたいと思っています。


まだまだ頑張りますのでみなさんよろしくお願いします。




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